2021年2月2日 更新
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日本手話学会第33回大会
日程:2007年9月15・16日
場所:日本社会事業大学
【研究発表】
音素配列論再考日本手話タイプIIIについて一
原大介(愛知医科大学看護学部)・木村勉(豊田工業高等専門学校情報工学科)・神田和幸(中京大学教養部)
日本手話のタイプIII(両手手型が異なるもの)について,手話が表出される位置と動きをそれぞれニュートラルスペースおよび下方直線運動に固定し,両手手型の組み合わせと両手の接触の有無だけを変えた約2300個の手話サンプルを作成•録画し,日本手話母語話者の評価(5段階のリカートスケール)を受けた.その結果にもとづき,両手手型の組み合わせ等を含めて語の適格性について考察する方法を示す.
JSLの移動表現について
今里典子(神戸市立工業高等専門学校)
「移動事象」を表現する場合,Talmy理論では,日本手話はどのような類型パターンを取るのかを分析し,理論の妥当性について考察することを目的とする.
日本手話におけるNMSの機能
神田和幸(中京大学教養部)・原大介(愛知医科大学看護学部)・木村勉(豊田工業高等専門学校情報工学科)
日本手話研究においては従来,Sの文法機能が重視されてきた.これはアメリカ手話研究の影響であり,直接的にはLiddellの文法論である.本論は日本手話文法の多くは形態論で実現されているという立場で,Sのジェスチャー機能に着目し,手話母語話者がSの重要性を主として感情表現に求める理由を説明する.
台湾手話および韓国手話の語彙比較研究
佐々木大介(北星学園大学/テキサス大学オースチン校大学院)
韓国手話に見られるいくつかの副詞的非手指動作について
岩井智彦(東京大学COE「心とことば」研究員)
マダガスカル手話の語順
箕浦信勝(東京外国語大学外国語学部)
手話三者会話における話者交替についての準備的考察
坊農真弓(日本特別研究員PD/京都大学)・山中照章
コーダの感じる日本語の苦手意識,手話の苦手意識
澁谷智子(日本学術振輿会)
手話談話における空間と視点:手話研究とジェスチャー研究の接点
坊農真弓(日本学特別研究員PD/京都大学)・高梨克也(京都大学学術情報メディアセンター)
日本手話におけるポーズ直前のうなずきの分析
堀内靖雄・亀崎紘子・西田昌史・市川熹(千葉大学)
対話型自然言語である日本語音声と日本手話の対話におけるうなずきを比較分析した結果,発話末(ポーズ直前)のうなずきに関して,両言語間で異なる傾向が見られたため,日本手話の発話末のうなずきについて詳細に分析した結果,最後の単語に同期するうなずきと最後の単語に後続するうなずきの二種類のうなずきが観察された.それらのうなずきについて,手話熟達者に聞き取り調査を行なった結果,後続うなずきは単語と共起することなく単独で出現し,接続詞等と同等の機能を有することが示唆された.
日本語手話辞典の自然言語処理による分析
黒田知宏(大阪大学大学院基礎工学研究科)・岡本和也(京都大学大学院情報学研究科)・竹村匡正(京都大学大学院情報学研究科/京都大学医学部附属病院医療情報部)・大星直樹(近畿大学理工学部)・黒田嘉宏(大阪大学大学院基礎工学研究科)・大城理(大阪大学大学院基礎工学研究科)
日本語手話辞典は,日本手話の学習や研究の重要なリソースとして広く用いられている.本研究では,手話アニメーションの効率的処理を目的に,日本手話辞典の手話イラスト説明文を計算機上に取り込み,簡単な自然言語処理を試みた.本報告では,分析によって明らかになった同辞典の問題について報告する.
「日本手話・日本語電子辞書」の試作と評価ー音素等のグループ化によるあいまい検索方法の提案一
木村勉(豊田工業高等専門学校情報工学科)・原大介(愛知医科大学看護学部)・神田和幸(中京大学教養部)
筆者らは手話表現された手話単語から,それに対応する日本語の意味を調べることができる「日本手話・日本語電子辞書」の開発を行っている.この辞書システムは,データベースにMicrosoft社のEXCEL,GUIは同社のOfficeシリーズに付属しているVisual Basic Applicationを用いて開発した国しかしこのシステムでは,手話を調べるための検索キーが細かく分類されており,初心者には使いにくいGUIであったそこで本研究では,この問題点を解決するために検索キーの分類方法や選択方法を改良し,初心者でも直感的に検索できるような方法を提案する.
【基調講演】
対話の言葉としての手話と音声
市川熹(千葉大学 グランドフェロー・障害学生修学サポート企画室アドバイザ)